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大型のファンを備えた送風・空調ユニットがパレットに載って並ぶ、広い工場の作業場

CLEANROOM ENGINEERING REPORT

FFUとフィルタの提供元を、
事実項目で並べる。

ファンフィルタユニット、エアフィルタ、クリーン機器を提供する9社を、公式サイトに記載のある項目だけで整理します。優劣は示しません。

FFUとフィルタ:クリーンルームの清浄度を左右する機器

最終更新日:

クリーンルームの清浄度は、天井や壁に取り付けられた高性能フィルタと、それを通して清浄な空気を送る送風機の性能に大きく左右されます。ファンフィルタユニット(FFU)は、送風機(ファン)とHEPAまたはULPAフィルタを一つの箱に組み合わせた装置で、天井に並べて使うことで、清浄な空気を室内へ直接送り込みます。ダクトで空気を分配する方式に比べて、ユニット単位で風量を調整しやすい点が特徴です。

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本ページの比較表では、FFU、エアフィルタ、クリーンブース、スーパークリーン生成装置などを提供する企業を取り上げます。前のページの設計・施工のプレイヤーが工事の担い手であるのに対し、本ページは機器やフィルタを製造する企業が中心です。企業によっては両方を手がけるため、同じ企業が両方の表に載っています。比較の前提となるクラス基準はクラス基準と規格で整理しています。

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当サイトは特定の製品を推奨せず、順位付けも行いません。公式サイトで確認できる事実のみを掲載し、確認できていない項目は「公式サイト参照」と表記します。

機器の種類と役割

クリーンルーム関連の機器は、役割別に整理すると理解しやすくなります。

  • FFU(ファンフィルタユニット):送風機とフィルタを一体化した天井設置型のユニット。大面積のクリーンルームの天井に多数並べます。
  • HEPA・ULPAフィルタ:粒子を高い効率で捕集するろ過材。空調ダクトの末端や、FFUの内部に使われます。
  • ケミカルフィルタ:空気中の酸性・塩基性ガスや有機物を除去するフィルタ。分子状汚染(AMC)の対策に使われます。
  • クリーンブース・クリーンベンチ:室内の一部の区域だけを局所的に清浄化する装置。既存の部屋に導入しやすい方式です。
  • エアシャワー・パスボックス:人や物が出入りする際に、粒子の持ち込みを抑える装置。
  • 安全キャビネット・アイソレータ:バイオ・医薬分野で、作業者と製品を保護する装置。

どの機器を選ぶかは、清浄度のクラス、必要な風量、天井裏のスペース、騒音、振動、消費電力などの条件で決まります。省エネの観点では、FFUの風量制御やモータ方式が論点になります。詳しくは省エネ運用とFFU制御のページで扱います。

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【比較表】FFU・フィルタ・清浄機器の提供元9社

企業名本社所在地主な事業・製品区分FFUの取扱HEPA/ULPAフィルタの取扱公式サイトに記載の特徴上場区分ほか
日本エアーテック株式会社東京都台東区入谷一丁目14番9号クリーンエア機器全般(クリーンルーム、クリーンブース、エアーシャワー、安全キャビネットなど)取扱あり:多目的クリーンユニット(SS-MAC)、SUS製クリーンユニット(EC-MAC)公式サイト参照オールインワンクリーンルーム、施工・保守、定期点検・フィルター交換を案内東証スタンダード(6291)
日本無機株式会社東京都台東区東上野5-1-5 日新上野ビル4F。設立1939年エアフィルタ専業(フィルタ製品、クリーンルーム機器、ガラス繊維製品の3区分)公式サイト参照(クリーンルーム機器としてエアシャワー等を掲載)取扱あり。沿革に1978年の0.1µm超高性能エアフィルタの開発と記載ビル・商業施設、医療施設、食品・医薬品・電子工場、発電施設などの場所別と、目的別(ろ材交換、感染症対策ほか)の製品検索を提供株主にダイキン工業株式会社の記載あり
ニッタ株式会社大阪市浪速区桜川4-4-26。創業1885年産業資材メーカー(エアクリーン製品は事業の一つ)取扱あり:ファンフィルタユニット(FFU)、縦型クリーンファンユニット取扱あり:HEPA/ULPAフィルタ、中高性能フィルタ、ケミカルフィルタ陰圧ファンユニット、パーティション型クリーンファンユニット、RI用・原子力用フィルタ、塩害対策用フィルタを掲載東証プライム
Camfil(カムフィル)スウェーデン・ストックホルム(グループ本社)。1963年から空気ろ過ソリューション、大気汚染制御、パワーシステム、分子汚染制御の4事業領域公式サイト参照公式サイト参照(クリーンルームを含む産業分野向けのろ過ソリューションを案内)グループで約6,000人、35か国以上に販売拠点、製造拠点30、研究開発拠点6と公式サイトに記載公式サイト参照
興研株式会社東京都千代田区四番町7番地。創業1943年労働安全衛生保護具、環境関連機器の製造販売(クリーンソリューション事業を含む)FFUの取扱は公式サイト参照。クリーンゾーン生成装置3種を製造販売公式サイト参照スーパークリーン生成装置「KOACH」、プッシュプル型換気装置「KOKENLAMINAR」、発生源対策クリーン換気装置「LAMIKOACH」東証スタンダード(7963)
株式会社朝日工業社東京都港区浜松町一丁目25番7号設備工事事業と機器製造販売事業(機器事業部)公式サイト参照公式サイト参照半導体・液晶向けの精密環境制御機器を自社で開発・設計・製作と記載公式サイト参照
日本バイリーン株式会社東京都中央区築地五丁目6番4号 浜離宮三井ビルディング。設立1960年不織布および関連製品の製造・加工・販売(用途区分に空調・フィルタ関連)公式サイト参照公式サイト参照(エアフィルタ製品のグレード区分は粗じん・中性能・高性能・ケミカルなど)クリーンルーム用製品は、グループ会社である忍足研究所の製品として案内株主にフロイデンベルグ エスイーの記載あり
ダイキン工業株式会社公式サイト参照空調機器メーカー(設備用エアコンにクリーンルーム仕様を設定)公式サイト参照取扱あり:設備用エアコン〈ベルトレスタイプ〉省工事形クリーンルーム仕様にHEPAフィルターユニットを組み合わせ(捕集率99.99%・計数法0.3µm、受注生産)超低圧損HEPAフィルターと高効率DCファンモーターにより、従来機種比で消費電力量を約30%削減と記載(定格風量時・50Hz)公式サイト参照
オリオン機械株式会社長野県須坂市大字幸高246クリーンルーム・精密空調機器(恒温恒湿室・クリーンルーム、精密空調機PAPシリーズ)公式サイト参照公式サイト参照製品カテゴリに「恒温恒湿室・クリーンルーム」と精密空調機を掲載公式サイト参照

2026年10月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。「公式サイト参照」は、本ページ作成時点で数値や詳細を公式情報から確認できていない項目です。

表の「FFUの取扱」「HEPA/ULPAフィルタの取扱」は、公式サイトの製品一覧や事業紹介に記載があるかどうかを示しています。「公式サイト参照」は、本ページ作成時点で公式情報から該当の記載を確認できていない項目で、取り扱いがないという意味ではありません。製造拠点や生産能力、納期、価格は各社の公開情報の範囲が異なるため、表には載せていません。

フィルタの等級:HEPAとULPAを区別する規格

HEPAは High Efficiency Particulate Air の略で、ULPAは Ultra Low Penetration Air の略です。どちらも高性能のエアフィルタですが、捕集効率の水準が異なり、規格によって区分が定められています。米国で広く使われてきた定義では、HEPAフィルタは0.3µmの粒子を99.97%以上捕集するものとされています。日本では、JIS Z 8122がHEPAフィルタとULPAフィルタを粒径と捕集率の組み合わせで定義しています。欧州規格EN 1822は、最も透過しやすい粒径(MPPS)での捕集効率に基づき、次の等級を設けています。国際規格ISO 29463も、同様の考え方で等級を整理しています。

EN 1822の等級MPPSでの総合捕集効率区分
H1399.95%以上高性能フィルタ(HEPA)の区分
H1499.995%以上高性能フィルタ(HEPA)の区分
U1599.9995%以上超高性能フィルタ(ULPA)の区分
U1699.99995%以上超高性能フィルタ(ULPA)の区分
U1799.999995%以上超高性能フィルタ(ULPA)の区分

EN 1822の等級と捕集効率の概要。局所捕集効率やリークの試験条件など、詳細は規格原文を確認してください。

等級が上がるほど捕集効率は高くなりますが、一般にフィルタの圧力損失(空気が通るときの抵抗)も大きくなり、ファンの電力や騒音に影響します。クリーンルームの要求に対して、過剰な等級を選ぶと運転費用が増える一方で、不足すると清浄度を維持できません。クラスとフィルタ等級の関係は、設計者が風量、換気回数、発塵源と合わせて決めます。規格の確認先として日本産業標準調査会(JISC)が利用できます。

各社のプロフィール:公式サイトで確認できる事実

日本エアーテック株式会社

東京都台東区に本社を置くクリーンエア機器の企業で、創立は1973年、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。公式サイトの製品一覧には、アルミ型クリーンブース(MCB)、多目的クリーンユニット(FFU:SS-MAC)、SUS製クリーンユニット(FFU:EC-MAC)、標準型エアーシャワー、クリーンルーム対応ロボット掃除機などが並びます。ほかに安全キャビネット、クリーンベンチもあります。サービスとして、オールインワンクリーンルームとクリーンルームの施工・保守を案内しているため、機器の製造と施工を一社で窓口にできる点が特徴の一つです。技術資料やテクニカルレポート、図面のダウンロード、FAQを公式サイトに公開しています。

日本無機株式会社

東京都台東区に本社を置くエアフィルタの企業で、設立は1939年です。公式サイトでは、事業をフィルタ製品、クリーンルーム機器、ガラス繊維製品の3つに分けて紹介しています。製品は設置場所(ビル・商業施設、医療施設、食品工場、医薬品工場、電子工場、発電施設、原子力災害対策施設)と、目的・特徴(抗菌防臭、発ガス対策、ろ材交換、PM2.5対策、耐熱、防虫対策、感染症対策など)から検索できます。沿革には、1978年に0.1µmの超高性能エアフィルタを世界で初めて開発したと記載があります。会社概要の株主欄にはダイキン工業株式会社が記載されています。電子カタログやオンラインの問い合わせ窓口も公開されています。

ニッタ株式会社

大阪市浪速区に本社を置く産業資材メーカーで、創業は1885年、東京証券取引所プライム市場に上場しています。エアクリーン製品は事業の一部で、公式サイトの製品情報には、HEPA/ULPAフィルタ、中高性能フィルタ、プレフィルタ、RI用・原子力用フィルタ、ケミカルフィルタ、塩害対策用フィルタが並んでいます。関連製品として、サプライユニット、ダクト接続型フィルタユニット、ケミカルフィルタユニット、ファンフィルタユニット(FFU)、HEPA排気ユニットがあります。トップページでは、感染症予防対策製品として、縦型クリーンファンユニットや陰圧ファンユニット、パーティション型クリーンファンユニットも紹介されています。製品はエアクリーン用の検索画面から探せます。

Camfil(カムフィル)

スウェーデンのストックホルムに本社を置く空気ろ過の企業グループで、1963年から事業を続けています。公式サイトによると、従業員は約6,000人、35か国以上に販売拠点、30の製造拠点、6つの研究開発拠点を持ちます。日本向けの公式ページでは、クリーンエアソリューションのグローバルな提供者として、商業・産業システム向けの空気ろ過を提供すると説明しています。事業領域は、空気ろ過ソリューション、大気汚染制御、パワーシステム、分子汚染制御の4つです。産業分野の紹介では、バイオテクノロジー、重工業、クリーンルームなど、あらゆる空気質ニーズに対応するろ過ソリューションを挙げています。サステナビリティの情報として、環境製品宣言(EPD)や、フィルタの設計にエネルギー効率を組み込む考え方に関する説明も公式サイトに掲載されています。

興研株式会社

東京都千代田区に本社を置き、防じんマスクや防毒マスクなどの労働安全衛生保護具、環境関連機器の製造販売を行っています。創業は1943年、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。公式サイトの事業・製品案内は、クリーン、ヘルス、セーフティの3つのソリューションに分かれています。クリーンソリューションでは、クリーンゾーン生成装置を3種類製造販売しています。スーパークリーン生成装置「KOACH」は、高い清浄度と低消費電力を特徴として紹介され、開発者が第6回ものづくり日本大賞(内閣総理大臣賞)を受賞したと記載されています。ほかに、プッシュプル型換気装置「KOKENLAMINAR」と、発生源対策クリーン換気装置「LAMIKOACH」があります。

株式会社朝日工業社

東京都港区浜松町に本社を置き、空気調和設備と衛生設備の工事を主とする設備工事事業と、機器製造販売事業(機器事業部)を営んでいます。公式サイトによると、機器事業部は空気調和設備工事で培ってきたクリーン化技術や熱流体制御技術を活用し、半導体や液晶パネルの製造装置などの先端産業向けに、精密環境制御機器を自社で開発・設計・製作しています。製品カタログの一覧やテクニカルレターも公開されています。会社概要によると、資本金は38億5,710万円で、国内・海外の拠点は公式サイトの専用ページに一覧があります。FFUやHEPAフィルタの取り扱いについては、公式サイトの製品情報を参照してください。設計・施工の側面は設計・施工の比較表にも掲載しています。

日本バイリーン株式会社

東京都中央区築地に本社を置く不織布メーカーで、設立は1960年6月1日、株主としてフロイデンベルグ エスイーが記載されています。公式サイトの会社概要では、事業内容を不織布および関連製品の製造・加工・販売とし、主な用途分野に自動車、空調・フィルタ、メディカル、電池・エネルギー、工業用途などを挙げています。エアフィルタの製品ページでは、グレードを粗じん、中性能、高性能、ケミカルなどに区分して検索できる構成です。HEPA、ULPA、FFUについては、このページに明記された記載を確認できていません。クリーンルーム用製品は、グループ会社である忍足研究所の製品として、設置場所やISOクラスなどのニーズに対応した各種製品を取り揃えていると案内されています。

ダイキン工業株式会社

空調機器メーカーで、公式サイトには、設備用エアコン〈ベルトレスタイプ〉の省工事形クリーンルーム仕様が掲載されています。ベルトレスタイプのエアコンとHEPAフィルターユニットを組み合わせ、ダクト設計を不要にしてクリーンルーム空調を実現するとしています。HEPAフィルターはフッ素樹脂ろ材を用い、捕集率は99.99%(計数法0.3µm)と記載されています。超低圧損のHEPAフィルターと室内機の高効率DCファンモーターにより、従来機種との比較で消費電力量を約30%削減するとしています(定格風量時・50Hzの条件)。HEPAフィルターユニットは受注生産品で、発注から納入まで約45日と案内されています。想定業種にはIC・LSI、光学機器、薬品・医学・病院、食品などが挙げられています。本社所在地などの企業情報は公式サイトを参照してください。

オリオン機械株式会社

長野県須坂市に本社を置く企業で、本社の所在地は大字幸高246と公式サイトに記載されています。製品のカテゴリには、恒温恒湿室・クリーンルームと、精密空調機(PAPシリーズ)が並んでいます。そのため、本ページの表では「クリーンルーム・精密空調機器」の区分として載せています。一方で、トップページを確認した範囲では、FFUやHEPAフィルタの取り扱いに関する記載は見当たりませんでした。表の該当列を「公式サイト参照」としているのは、取り扱いがないという意味ではなく、公式情報から確認できていないという意味です。製品の仕様や納入分野、上場区分などの詳細も、本ページ作成時点で公式情報から確認できていないため、導入を検討する際は同社の製品ページや問い合わせ窓口で確認してください。

機器選定で確認したい項目

FFUやフィルタを選ぶときは、カタログ上の等級や寸法のほか、運用に関わる項目を整理しておくと、後工程の手戻りを防げます。

  1. 風量と圧力損失:必要な風速を確保できるか。フィルタの目詰まりが進んだときの余裕があるか。
  2. 消費電力と制御方式:風量を調整できるか、運転状況を遠隔で監視・制御できるか。
  3. 騒音・振動・質量:天井の構造や、周囲の環境に与える影響。
  4. フィルタの交換性:交換の作業性、作業中の清浄度への影響、交換周期の目安。
  5. 規格と試験:フィルタの等級、納入時の試験成績書、現地での漏れ試験への対応。
  6. 保守とサポート:交換部品の供給、点検サービス、問い合わせ窓口。

フィルタ交換の時期は、差圧計の監視値や、粒子数の測定結果から判断します。差圧の監視と粒子モニタリングについては計測・環境モニタリングのページに、運転費用の考え方は省エネ運用のページに整理しています。

本サイトは公開情報を整理した業界レポートであり、特定の施工会社・機器・工法の推奨ではありません。クラス基準・規格の記述は概要であり、実際の設計・施工・バリデーションは各規格の原文と専門家の確認が必要です。